スーパ−ガール


『はぁぅ…くっ…ぁぁっ…はぅっ…!!? くっ…… うううっ!?! だ、駄目っ…… だわっ』

数多の人々が繁栄を謳歌する巨大都市ゴッサムシティ。
だが、その一隅には繁栄の恩恵を受ける事が出来ず、半ばスラム化したような場所も少なからず存在した。
この建て替えられる事も無く旧世紀の様式を留める古びた十二階建てビルも、そうした一区画に建っている。


周囲に夕暮れが迫り、廃墟に等しい中階層ビルの屋上…… そこでスーパーガールは、アマゾンの奥地でしかお目にかかれないような太く奇怪な植物のツタに全身を絡み付かれ、恐るべき怪力で締め上げられて身動き出来ない状態に陥っていた。
スーパーガールが全身の力を込めても、ツタ群はびくともしない。
否、どれほど太く頑丈な、常人にはどうする事も出来ない妖ツタであっても、普段の彼女ならば容易に引き千切るか、或いは瞳から放つ熱線フレイムビジョンで灼き切って、瞬時に脱出を果たすだろう。
外見は長身だがスレンダーな美乙女に過ぎない彼女の身体には、成人男性の数十人分に匹敵する腕力と大口径ライフル弾を跳ね返す鋼の強靱性が秘められ、単独高速飛行を初めとする様々な超能力を持っているのだから。
だがアイアン・メイデン(鋼鉄の処女)の異名を持つ彼女には、現在もう一つの戒めが存在した。

『フフフ♪ まだ他は釣れてないみたいねえ…… でも、念の為に用意しておいてよかったよソレ。あなたのお節介な性格からして、来るかもしれないって思っていたの♪』

突然背後からのカン高い嘲弄が、圧迫の苦悶に美貌を歪ませるスーパーガールの耳朶を打つ。

『ん……ぐっ……あぐっ……かはっ!? ハッ…ハーレー・クインッ…… !!?』

苦鳴に混じり真珠色の歯列をキリキリと鳴らす様にして、悔しげにその名前を漏らすスーパーガール。
黒と赤に塗り分けられたピエロにも似たボディスーツを纏い、悪の世界に魅せられた元女精神科医によって妖ツタの不意打ちを受け身体の自由を失った僅かな隙に、左手首に嵌められてしまったブレスレット…… 毒々しい燐光を放つ濃緑色の鉱石クリプトナイトが埋め込まれた腕環こそが、スーパーガールの持つ全ての超能力を封じる悪魔のアイテムだった。
辛うじて変身姿こそ保っているものの、現在の彼女は外見そのままの、たおやかな乙女同然の力しか持ってはいない。

『まったくよね…… 私の可愛いツタ達だけでは、この娘の馬鹿力を押さえ込むのは難しかったかもしれないわ…… でも、こうなってしまえばお人形さんも同じ…… さて、どうやって遊ぼうかしらハーレ? うふふふふ』

『しばらく退屈しないで済みそうねえ…… フフフ!』

ハーレー・クインとは逆側背後から、第三の人物のアルト声が周囲を吹き抜ける生ぬるい南風に混じり、ハーレと嘲笑のデュオを奏でる。
声の主は死角だが、顔を見なくとも正体は明白だった。こんな化物の様な妖ツタを下僕に出来るのは一人しかいない。
あらゆる植物を己の意思で自在に扱える緑の魔女……

『ポイズンアイビー! ハーレーと手を組んで、今度は何を企んでいるの!!?』

このゴッサムシティで、ポイズンアイビーが毒草化した植物を用いた新たな大規模犯罪計画を進めているという情報を得たものの、アジトの詳細な場所が絞り込めずにいた親友バットガールがスーパーガールに協力を求め、快諾した彼女が調査に赴いたところ、怪しげな古ビルの壁面を包むツタにきな臭いものを覚え、屋上に舞い降りた途端にツタ群に襲われたのだ。
決して油断していたつもりは無かった。
だが、まさかポイズンアイビーに匹敵する危険な女魔人がクリプトナイトを携え待ち伏せているとは思わなかった。

『さあ、何を企んでいるのかしらねえ? ゆっくりそこで考えている事ねえ…… ああ、私の可愛いツタ達が遊んで欲しいみたいだから、ついでに相手をしてあげてね? うふふふふ』

アイビーのとぼけた嘲弄と同時、スーパーガールの全身を締め付けるツタに変化が起きた。

『はあぅぅッッ………ふあ!? ……ふうぁぁッ……やぁ、やめ……んぐぅっ! あふうぅっ! そ、そんな事……あはぁあんっ……ああぁぁ————っっ!!?』

ツタの表面にビッシリと生える無数の繊毛が意志を持つかの如くザワザワと蠢き、ツタ本体もランダムな収縮を始めてスーパーガールの全身を愛撫してくる。
その動きは信じられない程に、スーパーガールの乙女としての部分を的確に浸食し、性感帯を昂らせてくる。
端正な美貌にほんのり朱を注ぎながら、スーパーガールの苦鳴に甘いものが混ざってしまう。

『楽しみなさいスーパーガールちゃん♪ こいつら、結構テクニシャンなのよお〜〜 あんたみたいなウブな小娘、あっという間に濡れちゃうぐらいにね♪ あははは! 見なよアイビー♪ このコ、もう乳首勃たせてるわよ!?』

『そ、そんなこと……い、いや…あっ…… きゃあうっっっっっっ!?』

美しいブロンドを振り乱し、懸命に否定するもののスーパーガールの双美乳先端には、紺碧のボディスーツを押し上げた乳首のシルエットが言い訳しようも無い程にクッキリと出現していた。

「カワイイ声で鳴くじゃない♪ 随分と欲求不満だったみたいね〜〜え? そういう事ならもっとサービスしちゃおうかしら? アイビー♪ あんたの使う樹液の中に、触るとトンでもなくカブレちゃうウルシ汁みたいなヤツあったよね? こいつのマタグラにぶっかけてやったらどうなるのか、試してみない〜〜?』

『フフ、それは面白そうだわね? 鋼鉄乙女スーパーガールが、あの樹液の疼きにどこまで頑張れるのか…… 』

『はぁぅ…くっ!? な、何を…… これはっ!?』

ポイズンアイビーの翻す掌と同調する様に伸びてきた一本の極太ツタが、スーパーガールの足下でムクムクと鎌首をもたげ、先端の醜い蕾をミニスカート内に潜り込ませてくる。

『安心なさいな? その子の吐く樹液でお股が天国気分になるだけ。何しろ貴女は大事な生き餌なんですから、 くくくくくく!!』

『そうそう♪ あんたは後回しの予定だったけど、きっとすぐに仲良しのバットガールちゃんやワンダーウーマンお姉様が来てくれるだろうから、タップリ掻いてもらえばいいよ♪ まあもっとも…… 連中もそれどころじゃなくなるだろうけどねえ、あははっ!』

『はくぅぅッッ………ふあ………ふうぁぁッ…… そんな…… !? ま、まさか狙いは最初から私たち自身っ!!?』

二人の悪女が仕掛けたあまりに周到な準備と、的確そのものな待ち伏せ襲撃の狙いに思い当たり慄然とするスーパーガール。
この悪女達の狙いは当初から自分たちの邪魔をするJLA(Justice League of America)のスーパーヒロイン達を無力化する事だったに違いない。
だが時既に遅く、文字通り手も足も出ない状態に拘束され嬲られる彼女には、その奸計を阻止する術は無く、元は食虫植物と思しき極太ツタの醜く肉厚な蕾に股間一帯をまさぐられ、最も敏感な場所に妖しげな毒樹液を吹きかけられるのを待つよりない。
そしてスーパーガールという極上の蜜は、華麗で凛々しい正義の蝶たちを招き寄せるに違いなかった。


なんとなくアメコミ風(の一形態)な塗りにしてみたくて描いてみた一枚。
ポイズンアイビー、ハーレークイン共に、基本的にはバットマンシリーズに登場する女悪役ですが、ヒーローサイドがJLA(Justice League of America)なるヒーロー連合を組んで結構作品ボーダーレスで活動してるのに伴って、ヒールサイドも同様にボーダーレスみたいで、あっちこっち異作品に顔出してますね。
当初はSGとツタだけでさらっと描くつもりだったんですが、同性の悪人にイジメられてしまう正義のヒロインな構図は好きなんで、適当に(オリジナルデザイン自体もSG同様に作者・メディアごとにバリエーション多過ぎてさっぱりわからん)両方ぺぺっと加えてみました。